今更ながら、2010年に公開された映画『ソラニン』を観賞しました。学生の頃から追いかけ続ける夢を諦められないバンドマン達を描いた作品です。
目次
大人になりきれず、夢を追いかけ続ける姿
映画『ソラニン』は女優・宮崎あおいさん(芽衣子)主演の作品です。
準レギュラーに高良健吾さん(種田)、サンボマスター近藤洋一さん(加藤)、桐谷健太さん(ビリー)が出演しています。
3人は大学の軽音サークルの同期であり、
大学を卒業した今でも同じバンドメンバーとして活動しています。
周りの大人達がみんな社会人として日々を過ごすなか、
種田、加藤、ビリーの3人はいまだバンドへの想いを捨てきれず
どこか大人になりきれないままそれぞれの葛藤を抱えながら過ごしています。
学生の頃から種田と交際を続ける芽衣子は、
心に葛藤を抱えながら生きる恋人の種田を信じ励まし続けます。
しかし、夢を追いかけることを決断し振りきることもできず、
かといって社会人として自立することを決断することもできない種田は苦悩の日々を送ります。
好きなことして生きることの難しさ
まず『ソラニン』では、夢を追いかけ続けたい想いを胸に抱えたまま
社会の荒波に飲まれていくそれぞれの心の葛藤を鮮明に描いています。
そのなかでも特に、いつものんびり屋でおちゃらけている種田が実は一番繊細なのでした。
男として経済力もない、将来性もない自分と付き合っている芽衣子に別れを告げたりします。
この作品を見ていると
好きなことをして生きるということの難しさについて深く考えさせられます。
生きていくためには現実問題として経済力が必要であり、
『好きなこと』がお金にならない間は当然、それ一本で食べていくことはできません。
種田は本作品の最初から度々『不安だ』という言葉を漏らしています。
夢を追いかけるのは楽しく素晴らしいことではあるけれど、
その不安や孤独、焦燥感に耐えることができず思い悩む姿がとても印象的です。
振り切れない怖さ
私が『ソラニン』を見ていて強く感じたことは、
夢か現実か、どちらにも振り切れないでいることの怖さです。
生活のためという事情もあるので仕方のないことなのかもしれませんが、
種田・加藤・ビリーは3人共、『バンドで食べていくんだ』という決断をできずに
なんとなくダラダラした日々を過ごし続けます。
かといって、バンドという夢を諦めることもできず
スタジオに月1回集まることで夢への想いをつなぎ留め続けます。
絶対に夢を叶えるんだという決意もできず、
夢を諦めるんだという決意もできず、
『これから一体どうなるんだろう?』という悩みだけを抱き続けます。
しかし現実問題として、
『これから一体どうなるんだろう?』といくら思い悩んでも
なにか物事が好転するわけではないのもまた事実です。
どちらか一方に振り切る勇気がもてないのも怖いことだと感じました。
さて、
種田のそんな様子を近くで見ている芽衣子は
『好きな音楽を否定されるのが怖いんでしょ』と激励の言葉をぶつけます。
芽衣子の激励に触れた種田は一念発起。
自分のなかの渾身の作品『ソラニン』をレコード会社に送りまくりますが、
結局どこのレコード会社からも思うようなオファーはこないまま。
この現実がさらに種田の心を追い込んでいくことになります。
『好きなこと』をマネタイズする方法はいくらでもある
この作品を見て、もしかしたら多くの夢追い人が心の痛みを覚えるかもしれません。
好きなことで食べていけたら良いなと思いながら、
なかなか思うように芽が出ずくすぶっている人もたくさんいることでしょう。
しかしあえて現実的なことを言うと、
現代は『好きなことを仕事にするのにこれ以上ない時代』です。
好きなことをマネタイズする方法なんていくらでもあります。
むしろ、本当に好きなことを続けていきたいなら
その『好きなこと』をマネタイズするスキルを身につけなくてはなりません。
一般的なミュージシャンの成功事例はよくわかりませんが、
Youtubeで毎日配信していれば確実に固定ファンがつきますし、
Youtube経由でレコード会社からオファーがくるかもしれません。
自分の詳しい分野でブログを書いていれば誰かが見てくれるかもしれません。
作詞・作曲の方法やギターの弾き方講座など
提供でいる知識があるならその分野で情報発信したって良い。
地道だけど、確実に音楽活動の範囲を広げる方法なんていくらでもあるし、
今やインターネットを使えば世界が顧客になり得る時代です。
わざわざ従来の慣習に沿った方法をとる必要はありません。
今の自分たちの持っているリソース(資源)でなにができるのか?を
真剣に考えることの方がずっと大事なことだと思います。
芽衣子が激励の言葉をかけたとき、種田は
『じゃあ失敗したら、芽衣子さんは一緒に死んでくれるの?』という言葉を
芽衣子に突きつけます。
このやりとり自体は一種の冗談だと思いますが、
夢が叶わなかったら=死という極限状態まで自分を追い込むのではなく、
ナチュラルに夢をかなっていく導線を自ら張っていく聡明さを身につけましょう。
夢があるのなら、叶うまで追いかけ続るしかない
唯一自分たちに声をかけてくれたレコード会社から
不本意な提案を突きつけられたことも相まって、
種田はこれまで以上に思い悩みます。
一時辞めていたアルバイト先に頭を下げて、もう一度働くことを決意。
また月1バンド活動の日々に戻ろうとしていました。
『自分はこれで幸せなんだ』と言い聞かせますが、
それが単なる妥協であることに気がつきます。
長年の恋人である芽衣子にも本当のことを言えず、
躍起になって種田は信号無視して事故を起こし、帰らぬ人となってしまうのでした。
種田は『ソラニン』という渾身の作品を一曲つくり
それをレコード会社に送りまくることで自分の夢を託します。
(もしかしたら原作では違った設定になっているのかもしれませんが)
客観的に見ると
『いや、もっといろんな曲つくって何百回でもレコード会社に送ろうよ!』
と言いたくなるほどあっさり諦めてしまうんですね。
追いかけ続ければ夢は叶う、というセリフもありますが、
結局は『叶うまで追いかけ続けるしかない』のだと思いました。
最後に
夢を追いかけ続けた学生から社会人になり、
『自分はこれで良いのだろうか』という葛藤は非常に心を揺さぶられます。
誰もが就職のときに一度は考えるのではないでしょうか。
1日8時間の労働と月1回の給料が当たり前の世間のなかで
『自分らしく生きていくにはどうしたら良いか』ということを
頭を捻らせて真剣に考え、模索する人はごく一握りです。
本人がそのような生き方を望むかどうかはまた別にして、
それでも『当たり前』に疑問をもてる人は一体全体の何%なのでしょうか。
何度も言うようですが、今時いくらでも夢を叶える方法があります。
それは決して学校では教えてくれないけれど、自分で身につけることができます。
参考:ネットビジネス初心者はなぜトレンドアフィリエイトに取り組むべきなのか
しっかりと自分にアンテナを張って情報収集を忘れずに、
そして理想の未来を叶えられるように前進していきましょう!