『自分の仕事を周囲に理解してもらえない』と感じたら?|個人主義と調和のバランスについて
起業家という生き方は、少なからず世の中の一般常識とは逸脱した道を選択することです。周囲にはあなたを応援してくれる人もいるかもしれないし、してくれない人も出てくることでしょう。そんなときには、どのように気持ちの整理をつけるべきなのでしょうか。
人は、認められたい生き物
大前提として、人は認められたい生き物です。
どんなに自分自身が納得していたり誇りを持っていても、
なにかしらの形で周囲の人々に認められないと、どうしても満たされない気持ちになります。
人間は誰しも他者やコミュニティとの関わり合いのなかで生きているため、
自分を取り巻く人々に認められたいという欲求が潜在的にあるのは当然のことです。
なのでそもそも、『認められたい』と強く感じるのは、
人間として本能的な欲求であるということを理解する必要があります。
起業家として家族や友達や恋人に
『自分の仕事を認めてもらえない』とか『応援してもらえない』というのは、
自分では納得しているように感じても、どこかでストレスを感じてしまうものですね。
『個人主義』という考え方
さて、ウィキペディアのなかでは『個人主義』を以下のように解説しています。
個人主義(こじんしゅぎ、英: individualism、仏: individualisme)とは、国家や社会の権威に対して個人の権利と自由を尊重することを主張する立場。 あるいは共同体や国家、民族、家の重要性の根拠を個人の尊厳に求め、その権利と義務の発生原理を説く思想。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8B%E4%BA%BA%E4%B8%BB%E7%BE%A9
今回の記事では国家的な意味での『個人主義』ではなく、
起業家という意味合いにおいての個人主義をオススメしようと思います。
日本は戦後長らく『集団のなかの個人』という考え方が重視され、
『個性』よりも『調和』や『協調性』を重んじられてきました。
しかし高度経済成長を終え、これからは世界のなかでも
先進国として国家としての在り方や将来性が問われる今、
もはや『協調性』という古い考えに固執する必要はないと考えています。
個人主義という価値観の世界では、
『個人はそれぞれ異なっている』という考え方を前提としています。
つまり、無条件になんでもかんでも集団に従う姿勢はもはや無個性そのものであり、
『個人はそれぞれ異なっている』という考え方を前提に
その上であらゆる人々と協調し合える関係をつくることコミュニケーションこそが重要です。
参考:コミュニケーションスキルは全てのビジネスに通ずる武器である
調和としての個人主義
少々本題からずれたような気がしますが、
結局私たちはどこまでいっても周囲との調和が必要です。
そうでなければ本当の意味での幸福は得られないでしょう。
ただ、調和を重視しすぎると個人主義の価値観を継続することが難しく、
個人主義を重視しすぎると調和の価値観を継続することが難しくなります。
両者は非常に密接に関わっており、かつバランス感覚がとても大切です。
例えばあなたが、
『今の自分の仕事が友達や家族に認められない』という状況に陥ったとします。
このとき、調和を重んじるタイプの人だと
『自分のやっていることは間違っているのではないか』とか
『この人に賛成してもらえないのならばいっそのことやめてしまおう』という風に、
つい自分の成長や行動にブレーキをかけてしまいます。
そして潔く突き進めないモチベーションになってしまいますね。
しかし本当にそれで良いのか?ということを今一度自問自答してみてください。
あなた自身が本当にやりたいことがあるなかで
他人の意見に惑わされたりマインドブロックがかかっているようでは
なかなか前に進むことはできず、成長スピードも遅くなってしまいます。
周囲の人々の意見に耳を傾けることを忘れてはいけませんが、
『周りがどう言おうと自分はこう生きる』という、ある意味で個人主義的な姿勢が必要です。
上述したとおり個人主義という価値観の世界では、
『個人はそれぞれ異なっている』という考え方を前提としています。
そのため、本来は自分と他人を全く別の個人として認識し
『自分は自分、他人は他人』と捉えて意思決定を下すべきですね。
そしてその潔い姿勢が、本当の意味での調和を成立させるのです。
相手の問題、自分の問題
少々抽象的な話が続いてしまったので具体的な話をします。
結局、『周囲が自分の仕事を認めてくれない』というのは
自分の問題ではなく、相手の問題です。
あなたはあなたなりに考え“自分の納得のいくこと”をしている。
その決定に際して大きな影響を被るひとの意見ならばないがしろにすることができませんが、
基本的には、自分の生き方、働き方、価値観は自分自身で決めるもの。
ハッキリ言ってしまえば、周囲の人にはあまり関係のないことです。
でも、周囲の人々はできるだけあなたに変わってほしくないと思っているし、
自分の知らない世界に行ってしまうような気がして、
『変わってほしくない』という本能が働いています。
だから、手放しで応援する気になれなかったり、
よく知りもせず『そんな危ない仕事がやめておけ』とか
『世の中そんな簡単じゃないぞ』というようなことを言ってしまうのです。
でもそれは、変わってしまうあなたを受け入れられない相手の問題なんですよ。
理解できない人に無理に理解を得ようとしない
インターネットビジネスに限ったことではなく、
起業や夢追人、理想を追い求める人にとって
『周囲の人々から理解が得られない』というのは、よくある話です。
これは個人的なアドバイスですが、
こちらがどんなに歩み寄っても理解を得られない人には
最初から『理解してもらおう』と思わないことです。
先程も少しお話をしたとおりにはなりますが、
人は自分の想像の範疇を超えた世界にあなたが行ってしまうことを
潜在意識のなかで極端に恐れているのです。
そのためどんなに説明をしても、話し合いをしても、理解を得られないこともあります。
特に私達の親世代には起業イコール人生を賭けた一大事だと思っている方も多く
『インターネットビジネス』という概念には全く理解のない場合がほとんどです。
その一方で、私たちは子供の頃からインターネットに触れて育ち、
インターネットなくしてあらゆるビジネスが成立しない世界を見てきています。
歳や、性別や、育った環境によって、理解できないことがあるのは当然です。
それは、例え気がついていなかったとしても、
私達自身にも少なからず存在する“一種の偏見”のようなものです。
私でも、もし仲の良い親友が、名前を聞いたこともない宗教に傾倒するようになったら、
『なんか、怪しいな。大丈夫かな?』なんて思ってしまうこともあるでしょう。
なのでそういった理解を範疇を超えた領域というのを
わざわざ理解できない&しようとしない人に理解させようとするのは愚かな行為だし、
お互いに幸せなことは何もありません。
もしそれでもまだ『絶対に親には理解してもらおう』とか
『恋人に理解してもらおう』ということを義務的に感じているのであれば、
それはあなた自身も、既に相手の問題に足を踏み入れているということです。
どんなに頑張っても、他人の価値観は変えられません。
変えられないものを変えようとする体力やコストは半端じゃありません。
それよりも、今のあなたにはするべきことがあるはず、ですよね。
結果を出せば認めざるを得なくなる
最後にはなりますが、結局どんなにあれこれ言われたとしても
『目に見える結果』を出せば、周囲の人々もあなたを認めざるを得ません。
私も最初は、会社を辞めたところまでは親に話しましたが
起業してしばらくは会社員として働いていることにしていました。
それは今このタイミングで無駄に心配をかける理由がなかったし、
『起業した』と言ったところで本当の理解は得られないだろうと判断したからです。
そしてそのうちにだいぶ結果が出るようになり
精神的にも、経済的にも安定してから初めて報告をしました。
そのときには既にそれなりの生活ができるようになっていたので
誕生日やお祝い事などには親きょうだいにはよく御馳走もしていましたから、
そういう背景があれば家族も何も言えないですよね。笑
物事には時に『順序』が大切なこともありますから、
なんでも最初から理解を求めようとしすぎないことが大事です。
またそういう距離感が、友人や家族だけでなく、
あらゆる人間関係を構築するうえで大切なこともありますので、
ぜひ今回の内容をどこかで思い出していただけたら嬉しいです。